Announcement of Press Release
(Japanese Only)
東京大学 生産技術研究所とエア・ウォーターによる 「IoTセンシング解析技術」社会連携研究部門が共同研究成果を発表 ~ 「予測」「観察」技術により、食品ロス削減や農業生産性の向上に寄与 ~
2024.05.16記者発表 https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/4531
生産技術研究所とエア・ウォーター 株式会社は、収穫に適した時期(収穫適期)を高い精度で「予測」する技術と、農業生産性の向上に有効な「観察*」する技術に関する共同研究成果を得ることに成功しました。
従来の収穫時期や収穫量の予測モデルは、土壌分析やデータ収集、またそのための高額な設備投資が必要となるなど、農業経営を圧迫する恐れもありました。本研究成果では、単一のデータ収集(日平均気温のみ)で最も重要な指標である収穫適期に特化した予測モデルを提供、ブロッコリーの収穫適期を高精度で予測することに成功しました。
またドローンを用いて農作物の個体番号を割り振り、位置と数を把握するための手法や、畑の中の生育差(農作物の生長量・生育速度)を比較・推定するためのモデルを開発しました。外的要因によって生育が遅れてしまっている個体など、収穫できない株数を把握することで収穫数/量が精度高く予測できるため、収穫物を収容するためのコンテナや人員、輸送手配、集荷場での受け入れ準備などの最適化が見込まれます。
品質低下防止はもとより、収穫適期逃しによる食品ロスの低減につなげると同時に、農業の担い手不足が課題となる中、収穫に関わる機材や人員、集荷などの最適化を通じて、生産性の向上を目指していきます。
*ここではあえて『観察』技術という表現を使っています。観察は人が行うことで、本来、ドローンやロボットなどでは見て測るという意味合いの観測という表現を用いるのが適切ですが、将来的にAIやロボットが当然のように人々の生活の中に溶け込み、人に代わってロボットなどが観察できる時代が来るであろうことを見越して、『観測』技術ではなく『観察』技術という表現を用いさせていただいております。
関連情報 / Reference
論文 / Papers
- RNN-Based Approach for Broccoli Harvest Time Forecast,
Journal of Agronomy (MDPI), 2024, 14(2), 361. 10 February 2024, DOI: 10.3390/agronomy14020361
by Mykhailo Lohachov, Ryoji Korei, Kazuo Oki, Koshi Yoshida, Issaku Azechi, Salem Ibrahim Salem, Nobuyuki Utsumi, - Locating Open-field Broccoli Plants with Unmanned Aerial Vehicle Photogrammetry and Object Detection Algorithm: A Practical Prediction Approach,
Sensors and Materials, Vol. 35, No. 11(3), 29 November 2023 pp.3777-3790, DOI: 10.18494/SAM4364
by Hiroki Hayashi, Hiroto Shimazaki, Ryoji Korei, Kazuo Oki,
2020.12.02 Press Release
記事 / Articles
- 「予測」と「観察」で日本農業の未来を切り開く! エア・ウォーター×東大生研の研究に迫る AGRI JOURNAL(2024/6/3)
- 「エア・ウォーター 東大生産技術研究所と収獲適期予測の研究成果発表」ガスレビュー No.1033(2024/6/1)
- 「収穫適期予測でロス低減 エア・ウォーター東大と共同で特許出願」食品新聞(24/5/29)
- 「スマート農業 有用性確認 ブロッコリー栽培で」 化学工業日報(2024/5/28)
- 「収穫適期「予測」と「観察」技術確立 スマート農業実現へ一歩」 日本食糧新聞(2024/5/24)
- 「ブロッコリー誤差2.5日未満 東大×青果流通大手 温度データだけ収穫適期を予想」 日本農業新聞(2024/5/17)
- 「気温のみで収穫予測 エア・ウォーターと東大生研 農薬など最適化」 日刊工業新聞(2024/5/17)